2014年5月の記事一覧

NPO法人として認証されました。

ふくしま地球市民発伝所は、5月23日付で福島県より特定非営利活動法人として認証されました。

法人格をもつ団体として、活動を通じてしっかりと社会的責任を果たしてゆきたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いします。


「はかる、知る、くらす。」の無料配布を開始しました。

国際協力NGOセンター(JANIC)、こどもみらい測定所、ADRA Japanの3団体が共同で作成した冊子、「はかる、知る、くらす。」の無料配布を開始しました。

入手方法は二通りあります。

①お近くの配布拠点で受け取る

配布拠点リスト

②こども未来測定所のWebサイトから申し込みフォームで注文する

②の場合は、冊子は無料ですが、送料は着払いをお願いしています。

詳しくは以下の冊子申し込みページをご覧ください。

「はかる、知る、くらす。」お申込みページ


えこえね南相馬の勉強会に行ってきました

南相馬市の一般社団えこえね南相馬研究機構の勉強会に参加してきました。

「農業と太陽光発電の共生」というテーマでソーラーシェアリング上総舞鶴の代表、高澤さんのお話でした。

えこえね南相馬は以前から設立のお知らせは頂いていましたがどのような活動なのか具体的にはよくわかっていませんでした。当日配布資料によると行政(南相馬市)の復興計画にそったかたちで特に再生可能エネルギーへの転換や省エネルギー製作の推移について市民サイドでできる活動を行っていこうということのようです。その目的は「省エネや新エネルギーを市民自ら学び、これをどうまちづくりや復興に活かしていくかを考えながら、再生可能エネルギーの普及に向けた学習、啓蒙、および実践事業を行う」ということです。

役員には高橋荘平さん(南相馬除染研究所)、箱崎さん(南相馬除染研究所・実践まちづくり)、奥村さん(市議会議員)、神谷さん(チェルノブイリ救援・中部、放射能測定センター・南相馬「とどけ鳥」)、高橋美加子さん(つながろう南相馬!)、中山さん(東北コミュニティの未来・志縁プロジェクト)、杉内さん(福島県有機農業ネットワーク・原町有機稲作研究会)などが名を連ねています。

えこえね

今回のテーマのソーラーシェアリングという言葉の意味はソーラーという資源をみんなでシェアしようということではなく、農地を農業と太陽光発電でシェアするという意味です。これは初めて学びました。

震災以降特に福島では原発事後ということもあり再生可能エネルギーに注目が集まっていてとくに太陽光発電(ソーラー)に関する事業が多く展開されています。県外の資本による農地などの借り上げでメガソーラーが設備され貸主は賃料が入るだけということもあるということです。原発事故により実際に高濃度の汚染された地域ばかりではなく風評被害で農業に意欲を失っている農民にとっては魅力的な話です。しかしほとんど100%は電力会社への売電ということで地域(市町村レベル)にお金が循環することにはなりません。

今回の勉強会で分かったこと(技術的側面・法制度など)

・このスキーム*1では後継者が居ることが条件となっていること
・現在の買取価格では10年でもとが取れてあと10年で果実を得る
・太陽光パネルは20年保証だがそれ以降も80%の発電量が可能だとメーカーが言っていること
・現在では太陽光パネルの廃棄物処理についてのきまりはないが将来的に行政が対応するだろう。*2
・年々買取価格が下がっているなか今年が(十分な)利益が得られる最後のチャンス
・農地に設置する場所についても耕作地に設置するということで作業道などの耕作地に付随する空間への設置は認められていない。
・農産物にはそれぞれ光飽和点というものがあり、太陽光を100%利用できているわけではなく、太陽光を部分的に遮ることで収量が上がる作物もある(里芋など)。
・減収率20%以内。つまりパネルを設置しても80%以上の収量を保つ必要がある(事前にデータの提出して立証?する義務がある)
・引き込み線は10m以上は実費工事となる(電柱設置・送電線引き込み)。

*1「2013年3月31日通達「営農を継続する太陽光発電設備等についての農地転用許可制度上の取り扱いについて」
*2 髙澤さん談

会場の雰囲気も「やるなら今がチャンス」「リスクは少ない」「安定収入」などどちらかと言えばバブル期の財テク講座のような言葉も聞かれ、正直違和感を感じました。しかし福島県内の様々な状況の地域に生活する人々にとっては、貴重なオプションの一つなのは間違いありません。ただそれぞれが、どのような生き方を選ぶのかというところで意見が別れてくるかと思います。

(竹内俊之)