2014年10月の記事一覧

3.11から~ようこの福島レポート(2) 田村市都路地区

避難指示解除後の都路町を訪ねて

少し前の話ですが、6月に田村市都路町に行ってきました。今年の4月に政府による避難指示が解除された地区です。解除から1年後の2015年3月末で東京電力による精神的慰謝料の支払いも終わるというので、本当にそれを住民の皆さんは納得していて、生活は大丈夫なのか知りたいという動機で訪ねました。

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知人から都路町のMさんを紹介してもらい、Mさんに町中を車で案内してもらいました。驚いたのは、田園風景の美しさです。阿武隈山地の谷間に位置するので、斜頚のある土地に水の流れなど自然に合せて作られた田んぼには、先人の知恵が詰まっていて見ていて飽きることがありませんでした。

いつの間にか、私たちは何でも思い通りになるような錯覚の中、生活するようになりました。お金を払えば、感謝しなくとも、ご飯をお腹いっぱい食べられるようになりました。そんな、錯覚をしていることを思い出させてくれるような豊かで奥行きのある風景がそこにありました。Mさんもそんな風景に魅せられて20年ほど前に都会から移住してきたとのことでした。

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Mさんに、率直に避難指示解除を住民の方は納得しているのかお聞きしました。「納得しているというか、納得させられてるというか、住民の声を吸い上げる仕組みは無くて、東京の人(霞ヶ関の人)が決めているというのが現実だと思います」と、話してくれました。今もほとんど人は仮設住宅や借り上げ住宅で暮らしていて、実際に戻って暮らされているのはお年寄りが多いとのことでした。

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私は車で都路町地区をぐるーりと案内してもらい、町の商業施設「Domoど~も」で、ご飯を食べて職員さんと少しお話して帰ってきただけなので、都路町地区の皆さんの置かれている状況について知るには、これから何度か通う必要があります。「Domo」で買った「ハム工房都路」のベーコンがビックリするぐらい美味しかったこともあり、また近いうちに都路町に行きたいと思っています。

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また、Mさんから都路町で放射能ゴミの焼却炉建設の計画があることを伺いました。避難指示を解除した地域に新たに建設することへ強い違和感を覚えました。都路町地区の皆さんは反対が大勢なのですが、市町村合併により田村市の住民の中では少数派になってしまい、状況が厳しいとのことでした。

9月に所用で郡山市に行ったときに、都路町での焼却炉建設反対の署名用紙をたまたま知り合いに貰いました。Mさんの話とつながり、自分でも取り組みたいと思いました。その一歩として、以下、紹介させてもらいます。

署名用紙→ http://www.slideshare.net/ssuser85528e/ss-38769591

送り先→ 963-4701 福島県田村市都路町古道字申酉30

放射能ゴミ焼却を考える都路・川内の会

会のブログ→ http://gomif.seesaa.net/archives/20140906-1.html

放射能のゴミの問題は、私たちにとって、とても難しく大きいです。燃やすのがよいのか、それとも固めるのがよいのか、何がよいのか、みんなで知恵を出し合う必要があります。セシウム137の半減期は30年なので、焼却炉の建設を急ぐのではなく、その前にやるべきことがあると、私は思います。(賛助会員 佐川ようこ)

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